電子ペーパーの名札について、お問い合わせでいただく質問はほぼ4つに絞られます。書き換えに何秒かかるのか。4色しか出ないのに顔写真は本当に表示できるのか。結局コストは下がるのか。デザインは誰がどう作るのか。この記事では、この4つに実測値と実機写真で答えます。元が取れない条件も、そのまま載せています。
書き換えに何秒かかるのか
1枚あたり、2色モデルで約2〜3秒、4色モデルで約30秒です。書き込みは1枚ずつ行います。まとめて一度に書き換わるわけではありません。ここを誤解したまま検討が進むと、導入初日の作業量が想定と食い違います。
枚数に比例するので、人数を入れれば所要時間はそのまま計算できます。200人の組織を例にすると、次のようになります。
| 4色モデル(約30秒/枚) | 2色モデル(約2〜3秒/枚) | |
|---|---|---|
| 初回に200人分 | 約100分 | 約7〜10分 |
| 2年目以降(年間30人分) | 約15分 | 約1〜1.5分 |
※ 書き込み時間のみの計算です。レイアウト作成、本体の取り回し、配布の手間は含みません。2年目以降は、入れ替わり・変更が年15%発生した場合の想定です。
初回はまとまった時間が必要です。ただし2年目以降に書き換えるのは、内容が変わった人の分だけです。200人の組織で年30人が入れ替わるなら、4色モデルでも年15分の作業に収まります。ここが、毎回全員分を発注し直す運用との違いになります。
大量導入なら2色モデルという選択肢
2色モデル(白黒)は書き換えが約2〜3秒で、4色のおよそ10分の1です。顔写真やロゴのカラー表示が不要で、氏名と所属が読めればよい現場なら、2色を選ぶと初回の作業が桁違いに軽くなります。ただし2.13インチには2色モデルがなく、4色のみです。2色を選ぶ場合は2.9インチか4.2インチになります。
4色で顔写真は本当に出るのか
出ます。ただし「どの程度出るか」は、文章で説明しても伝わりません。実機の写真を載せます。
表示できる色は4色だけです
表示色は白・黒・赤・黄の4色です。中間色は、この4色の組み合わせで表現されます。肌の色や髪の色が、写真そのままの色で出るわけではありません。本人確認ができる程度に顔が識別できる、という水準だとお考えください。
画素密度は3サイズとも約112PPIです。氏名、所属、ロゴ、QRコード、顔写真といった表示には足ります。一方で、細かい文字を詰め込んだ一覧表や、階調の細かい写真の再現には向きません。名札としての用途では問題になりませんが、名札以外にも使うことを想定している場合は、事前にサンプルでご確認ください。
顔写真を入れるなら4.2インチです
顔写真が必要かどうかで、選べるサイズが決まります。
| サイズ | 本体サイズ/重さ | 入る情報 | 顔写真 |
|---|---|---|---|
| 2.13インチ | 62 × 31.4 × 3.4mm/約8g | 氏名・所属・小さめのQR | 不可 |
| 2.9インチ | 82.2 × 39 × 3.4mm/約13g | 氏名・所属・役職・QR | 不可 |
| 4.2インチ | 93.4 × 80.3 × 3.4mm/約29g | 顔写真・氏名・所属・社員ID・QR・社名帯 | 可(4色モデル) |
4.2インチは約29gあり、名札としては大きい部類です。首から下げる運用が前提になります。顔写真が要らないなら、2.13インチか2.9インチのほうが軽く、安く、書き換えも速くなります。まず「顔写真は本当に必要か」を決めてから、サイズを選んでください。
顔写真を表示する場合は4色表示モデルをお選びください。
なお表示面にはガラスを使用しています。通常の携帯や着脱で問題はありませんが、強くぶつける、机や扉に挟むといった使い方は避けてください。粉じんや水しぶきのある現場でもお使いいただけます。防塵・防水は全モデルがIP65に対応しています。
コストは本当に下がるのか
ここは正直に書きます。条件によっては、下がりません。
電子ペーパーの名札は、本体を買い切って何度も書き換える方式です。つまり初期費用が高く、作り直しの費用がゼロになります。現在の名札が安いほど、また人の入れ替わりが少ないほど、この方式は不利になります。
いつ元が取れるか
名札1枚あたりの現行単価と、年間の入れ替わり・変更率から、損益分岐までの年数を計算しました。2.13インチ(6個セット時 1台あたり1,550円・税込)の場合です。
| 現行単価 | 入替率5% | 入替率10% | 入替率15% | 入替率30% |
|---|---|---|---|---|
| 1枚 700円 | 10年超 | 10年超 | 8.1年 | 4.0年 |
| 1枚 1,000円 | 10年超 | 5.5年 | 3.7年 | 1.8年 |
| 1枚 1,200円 | 5.8年 | 2.9年 | 1.9年 | 1.0年 |
| 1枚 1,500円 | 0.7年 | 0.3年 | 0.2年 | 0.1年 |
※ 人数×現行単価+人数×入替率×年数×現行単価を現行費用とし、EZ Signは人数×本体単価のみとした概算です。版下作成費、送料、発注・受け取り・配布にかかる社内の手間は双方とも含んでいません。実際の費用をお約束するものではありません。
参考までに、市販の名札の価格帯は次のとおりです(2026年8月時点)。彫刻名札は通常クリップの白で1枚668円から、回転式クリップで721円から、マグネット式で1,189円から(アスクル パプリ)。印刷名札のフルカラーは1枚904円から1,475円程度です。これに版下作成代550円から、ロゴトレース1,100円からが別途かかります(はんこ屋さん21)。実際の条件は発注先によって異なります。
元が取れないのはこういう場合です
- 現行の名札が安く、入れ替わりも少ない:1枚700円の彫刻名札を、年5%しか作り直さない組織で使っているなら、10年経っても回収できません
- 顔写真入りの社員証を、コスト削減目的で入れ替えたい:4.2インチは1台2,450円(6個セット時・税込)です。200人・入替率15%・現行1,000円の条件では、5年で現行より約14万円高くつきます
- 一度配ったら内容が変わらない:書き換えられる利点が使われないため、印刷やラミネート加工のほうが安く済みます
それでも選ばれている理由
上の表を見ればわかるとおり、材料費だけを比べたときの差は、思ったほど大きくありません。200人・入替率15%・現行1,000円という条件なら、5年間で4万円ほどの差です。
実際にお使いいただいている現場で効いているのは、金額よりも反映までの時間のほうです。彫刻名札も印刷名札も、内容が変われば発注し、届くのを待つことになります。当日入社した人、急に決まった来訪者、会期中に担当が変わる展示会には間に合いません。その場で書き換えられることが、費用より先に効く場面があります。
逆に言えば、リードタイムが問題になっていない組織では、無理に切り替える理由はありません。現在の運用で困っていないなら、そのままで構いません。
デザインは誰がどう作るのか
表示内容は、担当者が専用アプリ上で作成します。デザインの制作を外注する必要はありません。
載せる情報を先に決める
デザインで迷う原因のほとんどは、載せる情報を決めないまま作り始めることにあります。表示面積は決まっているので、情報を増やしたぶんだけ文字は小さくなります。次の順で決めると迷いません。
- 氏名 いちばん大きく入れます。名札は相手が一瞬だけ視線を落として読むものです。胸元をじっと見つめるのは失礼にあたるため、読めなかった相手は読み直さず、読むこと自体をあきらめます。
- 所属 部署名か会社名のどちらかで足ります。社内向けなら部署名、来客対応なら会社名を優先してください。両方入れると氏名が小さくなります。
- 役職・社員ID・QR 入退室管理や本人確認に使うなら必要です。使う予定がないなら省いて、氏名を大きくしたほうが名札としては機能します。
- 顔写真 4.2インチでのみ表示できます。表示面積の相当量を占めるため、本人確認が目的でないなら省いてください。
テンプレートも用意しています
一からデザインを作る必要はありません。EZ Signでは対応3サイズ向けに合計197種類のCanvaテンプレートを無料で公開しており、このうち名札に分類されているのは41種です(2026年8月時点)。顔写真入りの入館証・社員証、氏名と役職だけのシンプルなもの、来訪者・見学者バッジ、スタッフ名札などが含まれます。
Canvaでテンプレートを開き、氏名や所属を差し替えてPNGで保存し、アプリで転送する流れです。一度作った体裁をテンプレートとして保存しておけば、次からは中身を打ち替えるだけで済みます。テンプレートはEZ Sign公式サイトのテンプレート一覧からご覧いただけます。
導入前に確認しておきたいこと
ランヤードは本体に同梱されていません
EZ Sign本体には、首から下げるためのランヤードは付属していません。名札として運用する場合は、ランヤード6個セットを本体とあわせてご用意ください。胸ポケットに留めるならクリップ12個セット、卓上に置くならスタンド12個セットを別途ご用意いただけます。6個セットは本体のみの構成です。
検討時のチェックリスト
- 名札を配る人数を数えたか(社員・パート・派遣・常駐業者を含む)
- 年間で何人分の内容が変わるか見積もったか
- 現在の名札1枚あたりの単価を確認したか(版下代・送料を含む実額)
- 顔写真が本当に必要か決めたか
- 初回の書き込みにかかる時間を計算し、担当者を決めたか
- 2色モデルで足りるか検討したか(書き換えが10分の1になります)
- ランヤード・クリップ・スタンドのいずれかを手配したか
- 実物で表示の見え方を確認したか
最後の項目が、いちばん確実です。電子ペーパーの見え方は、写真では伝わりきりません。この記事の実機写真も、実物と並べればやはり印象が違います。1台からお求めいただけますので、現在お使いの名札と並べてご確認いただくのが確実です。
まず1台、現在の名札と並べてみてください
EZ Signは、スマートフォンをかざして表示を書き換えられる電子ペーパーの名札です。電池も配線も不要で、2.13インチは1個1,880円(税込)から。100台までは数量割引が自動で適用され、オンラインでそのままご購入いただけます。名札・社員証としての使い方と、現在の名札にかかっている費用の計算ツールをまとめています。価格は2026年8月時点のもので、変更される場合があります。
名札・社員証での使い方を見るあわせてご用意ください:ランヤード6個セット(本体には同梱されていません)/無料テンプレート一覧