企業の枠を超えて、電子ペーパーの調査・研究を進めている電子ペーパーコンソーシアムでは、
電子ペーパーを「ハードコピー(印刷物による表示)とソフトコピー(電子ディスプレイによる表示)の機能のそれぞれの長所を併せ持つ第三のヒューマンインターフェースの総称」と定義しています。
電子ペーパーは、「携帯しやすく、読みやすく、安定している」という紙の長所を生かしつつ、電子化されたデータを必要に応じて表示するハードウェアです。
そんな電子ペーパーの表示の仕組みについて本日は解説したいと思います。
〇電子ペーパーの表示のしくみ
印刷物やディスプレイは、「ピクセル(pixel)」という点の集まりとして絵や文字を表示します。
電子ペーパーの表示も同様で、ピクセルの色を電気的に制御することで、絵や文字を表示するのです。
現在利用されている電子インクには、いくつかの方式があります。
・電気泳動方式
電気泳動方式では、マイクロカプセル内に荷電粒子の小さな顔料とオイルが封入されており、
その何百万という数のマイクロカプセルを、
フィルムと電極板とが上下からサンドイッチのようにはさみます。
そこに電圧をかけることで、選ばれた色の顔料が表示面側に集まります。
色の表現は、画素ごとに赤・緑・青のフィルタをつけて調整します。
・QR-LPD方式(電子粉流体方式)
空間中に電気を帯びた小さな色の粉末を封入し、電圧をかけることで
粒子を移動させ、表示面側に選ばれた色の粉末を集めて表示をおこないます。
上記の電気泳動方式とよく似ていますが、粒子がオイルの中ではなく空気中を移動するので、
応答速度が速くなるというメリットが挙げられます。
・エレクトロウェッティング方式
セルのなかに水と色のついた油をいれ、電極の表面を
疎水性化合物(水をはじく性質を持つ物質)で覆います。
そして、疎水性化合物で覆われた表面には油膜が広がります。ここに電圧をかけることで、表面のぬれ性(水とのなじみやすさ)を変化させ、油の形状を調整して発色させるしくみです。
いかがでしたか?
今回は電子ペーパーの表示の仕組みについて解説いたしました。
ぜひご参考になれば幸いです